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梅泉寺跡と石仏 その2 (2010-5-13 0:33:57)
◇隠山和尚の建てた経塔
石写大乗妙法典経塔( 一字一石経供養塔 )とは、一つの石に一文字ずつ経を書いて、その石を埋めた上に塔を建てたものです。
紙に経文を書いて、土中に納めてもいいのですが、末代までの供養のしるしと、半永久的に経文を残すことを目的とした場合、石に文字を書くことが最良と考えられていたのでしょう。
この梅泉寺跡にある石仏には、 六基 もの 「石写大乗妙法典経塔」 があり、建立時期は江戸中期から明治初めのものです。
それにしても、一つの寺院の敷地内にひれだけの数の「石写大乗妙法典経塔」があるとは、全国を見回しても稀なことだと思います。
中には、「梅泉寺跡と石仏 その1」でも書きました、現代の臨済禅の基礎をつくった' 隠山 'が建立した経塔もあります。
石材は、どれも信州は 高遠 の良質な石なのだそうで、石工も当然のように、当時の最高の技術集団とうたわれた「高遠の石工」の作品ばかりのようです。
それにしても、江戸中期から明治初期にかけて、これだけの一字一石経供養塔を建てるだけの財と信仰心の篤さがあったことは、美濃国山中の' 洞戸 'の特異性と、' 禅文化 'の水準の高さを物語っているように思えてなりません。
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