特産品開発研究事業(味噌作り)
特産品開発研究
~~洞戸の特色を生かした味噌の製造・販売~~
1.目 的
洞戸地域の新たな特産品を開発し、製造販売できるようにする。
その候補として、洞戸地域に昔から伝わる味噌作りを調査研究し、新たな製品(洞戸味噌(仮称))として製造販売できないか検討する。
2.開発計画
- 関市洞戸大豆等加工施設を試作製造場所として借用し、計画に合わせて逐次整備していく
- 初年度の平成30年度は、原料の仕入れなど実習を兼ねて試作品を作成する
- 平成31年度以降は、試作結果を踏まえて、販売を目的とした製品を徐々に生産できるように進める
- 参加者数・・・13名(洞戸地区一般7名、地域協力隊1名、まちづくり委員会関係4名)
注)計画は状況に応じて変更されることがあります。
3.平成30年2月〜12月に渡る味噌作りの実習結果
味噌作りの経験者と有志の方にお願いして、実際に味噌を仕込む実習を行いました。実体験することにより、生産販売できるようになるには、どのような設備、技術、人員が必要か学ぶことが目的です。とくに、今回は味噌を作る基本技術、製造メニューの勉強をすることが主眼です。
3.1大豆、米麹、麦麹を使った味噌作り(指導者 市場在住のT.H氏)
【大豆を洗う】
大豆をバケツかボールで洗い、洗った大豆は12時間以上水に浸しておきます。この時、大豆が膨れるので水はたくさん入れておくこと。今回は前日に洗い、翌日の朝まで浸しました。
【大豆を炊く】
大鍋で、浸しておいた大豆を炊きます。写真の大豆は5升の大豆です。
大豆を炊くときは、豆が完全に水に浸るようにし、水が足りなくなったら追加します。
煮る時間は、新豆の場合は4時間程度、2年豆は5~6時間ていどになります。煮上がると、大豆を指で挟んで簡単に押しつぶせるくらいになります。
時々混ぜながら炊きます。今回は5升づつ二鍋炊きました。
煮上がって、柔らかくなったらそのまま2時間くらい冷まします。
【大豆を挽き潰す】
冷ました後にザルで水を切ります。
切った水は保管し、後で樽に漬けるときに柔らかさを調整する水として使います。
水切りした大豆をミンサーで挽いてつぶします。
【米麹、麦麹の準備】
大豆の準備と並行に麹の準備をします。今回は米麹、麦麹共に麹店から購入しました。
米麹に所定量の塩を混ぜます。
更に麦麹を追加して混ぜ合わせます。
【樽への仕込み】
挽きつぶした大豆に混ぜ合わせた麹をいれ、さらに残した大豆の煮汁を加えて、ちょうどいい柔らかさ(耳たぶの柔らかさ)になるようこねます。
味噌樽の中に潰した豆および所定量の米麹・麦麹・塩を混ぜたものを入れます。更に、大豆の煮汁を追加して全体が耳たぶの柔らかさになるようにします。
よくかき混ぜて全体を均一にし、中に空気が入らないよう押し付けて樽詰めします。
樽詰めが終わったら、空気が入らないようにビニール袋の口を紐でしっかりとめます。
その上にビニール袋に詰めた塩を重石として載せます。さらに蓋をして醸造します。
げ
夏を越して7、8ケ月で味噌が出来上がります。
今回は2月末に仕込み、夏を越して12月に開封して味噌ができていることを確認しました。
【今回仕込んだ味噌樽の大豆、米麦麹の比率】
下の写真は、今回仕込んだ味噌樽のレシピー例です。
今回試作した樽詰めのレシピーは下記のようです。
番号1、2の塩は自然塩、番号3、4の塩は普通の食塩です。
【試作した味噌の試食会】
試作会に向けての準備会議の議事録です。
やること、担当、機材、確認事項などみんなで話し合ったことが一目瞭然です。
(会議中にどんどん書き上げられていくので、話が空転せず、よく見えます)
〜〜 試食会当日 〜〜
2月末に仕込んだ味噌を10ヶ月後の12月末に開封して試食しました。
開封した味噌樽。上部には味噌たまりができていました。
今回は、下の写真のように、10種類の味噌樽を仕込んで、開封試食しました。
試食会は、上菅谷の地域の皆さんに声をかけて、試食品評していただきました。
試食に参加していただいた人は、30名ほどになりました。
試食会の様子。
10種類の試作味噌を皿に並べます。
一皿の上に10種類の味噌を並べて試食していただきました。
上菅谷味噌加工場での試食会の様子です。
この後、気に入った味噌を少しづつ家に持ち帰っていただき、自宅で料理に使っていただけるようにしました。
【試食会アンケート結果】
試食していただいた方に書く味噌の出来具合を、アンケート形式で評価してもらいました。
各味噌を下記の表のように4段階評価し、コメントもいただきました。
アンケート用紙とアンケート結果の例
番号は試作した味噌樽の番号で、1〜4は上部表の味噌樽番号に対応しています。
アンケートの集計結果
以上が第1回の味噌試作とその試作味噌の評価結果です。
今回の味噌試作と試食会の結果を踏まえて、平成31年度以降の味噌の開発研究を進めていきます。
試食会に参加し、ご協力いただいた地域の皆様ありがとうございます。